初心者向けのjQuery入門講座|デザイナー向けのJavaScriptライブラリ

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索引
Core:コアとなる仕組み
Selectors:セレクタ
Attributes:属性
Traversing:対象の変更
Manipulation:操作
CSS:スタイルシート
Events:イベント
Effects:演出効果
Ajax:xml等との連携
Utilities:ユーティリティ
Data:データ
Miscellaneous:諸々
Deferred:処理管理
Callbacks:コールバック
Internals:内部処理

.slideDown( )隠れた要素を縦方向に拡大して表示

構文

隠れた要素を縦方向に拡大して表示返値:jQueryオブジェクト
jQo.slideDown( )ver1.0〜
jQo.slideDown( 期間 [,function] )ver1.0〜
jQo.slideDown( 期間 [,イージング] [,function] )ver1.4.3〜
jQo.slideDown( オプション )ver1.0〜
上記構文のオプションはobjectオブジェクトで指定します。利用できるプロパティは以下の通りです。
・duration:目的の値までの期間をミリ秒で指定
・easing:アニメの加速度のタイプを指定
・queue:アニメをキューに追加するか以下かを指定
・step:アニメの期間に連続して実行するfunctionを指定
・complete:アニメの完了時に実行するfunctionを指定
・specialEasing:プロパティ(幅や高さなど)毎に個別のイージングを設定します。v1.4〜
以下はv1.8で追加されたDeferredに合わせて追加されました(functionの引数にpromiseオブジェクトがある)
・start:アニメが開始された時に実行するfunctionを指定
・progress:アニメの期間に連続して実行するfunctionを指定
・done:アニメが正常終了した時に実行するfunctionを指定
・fail:アニメが異常終了した時(stopされた時)に実行するfunctionを指定
・always:アニメの終了した時(正常/異常にかかわらず)に実行するfunctionを指定

機能

jQueryオブジェクトで指定した隠れている要素を縦方向に拡大して表示します。第1引数に期間を「ミリ秒」で設定することで、演出の速度を変更できます(期間を1000と設定すれば、1秒かけて要素を消します)。期間を設定しないと400ミリ秒のアニメで要素を表示します。また、第2引数にfunctionを設定すると演出が完了した後に実行されます。

v1.4.3からは期間とfunctionの間にイージングを設定して、アニメの加速度を変更できます。

slideDownメソッドはslideUpメソッドなどによって隠された要素を表示します。ですので、先にslideUpメソッドを理解するようにして下さい。slideUpメソッドに限定されているわけでなく、他のメソッド(fadeOutメソッド)などによって隠されている要素にも利用できます。

解説

引数なしで利用する

slideDownメソッドは引数なしで利用すると、400ミリ秒で要素を縦方向に拡大して表示します。
サンプル(slideDown/01.html)を開いてbody内にdiv要素とbutton要素があることを確認してください。しかしページ上にdiv要素が表示されません。これは以下のようにhideメソッドによって、あらかじめdiv要素が隠されているためです。

$("div").hide();

以下の部分では、buttonをクリックするとslideDownメソッドを利用して、hideメソッドで隠されたdiv要素を表示するようにしています。slideDownメソッドはslideUpメソッドによって隠されたものだけでなく、このようにhideメソッドで隠された要素に対しても有効です。ついでにfadeOutメソッドで隠された要素に対しても有効です→サンプル(slideDown/01b.html

$("button").click(function(){
	$("div").slideDown();
});

結果として、buttonをクリックすると、div要素が縦方向に拡大して表示されます。

期間を設定してアニメの速度を変更する

引数に期間(ミリ秒)を設定すると、指定された時間で要素を縦方向に拡大して表示します。
サンプル(slideDown/02.html)を開いてbodyの構成がslideDown/01.htmlと同じ事を確認して下さい。jQueryもほとんど同じで、異なるのは以下の様にslideDownメソッドの引数に期間「1000」が設定されている点だけです。

$("button").click(function(){
	$("div").slideDown(1000);
});

結果として、buttonをクリックすると1秒(1000ミリ秒)かけてdiv要素が縦方向に拡大しながら表示されます。

コールバックの設定

第2引数にfunctionを設定することで、表示した後にfunctionを実行することができます。
サンプル(slideDown/03.html)を開いてbody内の構成がslideDown/02.htmlと同じ事を確認してください。jQueryは少し変更されています。まずはslideDownメソッドを確認して下さい。以下の様に第2引数にfunction「upFunc」が設定されています。

$("button").click(function(){
	$("div").slideDown(1000, upFunc);
});

そしてupFuncは、以下の様にslideUpメソッドを利用して、再び要素を隠します。

function upFunc(){
	$("div").slideUp();
};

結果として、buttonをクリックすると1秒(1000ミリ秒)かけてdiv要素が縦方向に拡大しながら表示されます。その後で再びslideUpメソッドによって隠されます。

functionは無名関数を利用して、直接設定することができます。→サンプル(slideDown/03b.html

$("div").slideDown(3000, function (){
	$("div").slideUp();
});

イージングの設定

v1.4.3からはslideDownメソッドの第2引数にイージングの設定ができるようになりました。jQueryが利用できるイージングは「swing」と「linear」の2種類しかありません。デフォルトは「swing」です。イージングの種類はプラグインを追加することで増やすことができます。→プラグイン「イージングの追加

サンプル(slideDown/04.html)を開いてbody内の構成がslideDown/02.htmlと同じ事を確認してください。jQueryもほとんどslideDown/02.htmlと同じで、異なるのは以下の様に第2引数にイージング「linear」が追加された点だけです。

$("button").click(function(){
	$("div").slideDown(1000, "linear");
});

結果として、buttonをクリックすると「等速」でアニメが再生されます。違いが分かりにくいので、イージングの「swing」と「linear」を比較できるサンプルを作成しました。

サンプル(slideDown/04b.html)ではbutton要素をクリックすると、id属性がswingと設定された方は「swing」のイージング、id属性がlinearと設定された方は「linear」のイージングで演出されます。あまり違いは分からないかもしれませんが、linearは等速で演出し、swingは徐々に加速後、徐々に減速します。

オプション(objectオブジェクト)の設定

引数にobjectオブジェクトを設定することで様々な処理が可能になります。利用できるプロパティはanimate(prop,option)メソッドと同じなので、詳細はそちらを参照してください。

ここではdurationプロパティとstepプロパティを利用したサンプルを紹介します。サンプル(slideDown/05.html)を開いてbody内の構成は変更がないことを確認してください。jQueryでは、まず以下の部分を確認してください。

testObj = new Object();
testObj.duration = 3000;
testObj.progress = function(){
	var myHeight = $("div").height();
	$("div").text(myHeight)	
}

1行目でobjectオブジェクトを作成し、2行目でdurationプロパティを設定しています。ここでは3000(ミリ秒)を設定しているので3秒かけて演出します。そして3〜6行目ではprogressプロパティを設定しています。このプロパティにfunctionを代入しておくと演出をしている間に実行したい処理を設定できます。このサンプルではdiv要素の高さを取得し、それをdiv要素内に表示しています。

そして作成したobjectオブジェクトは以下の様にslideDownメソッドの引数として設定します。

$("button").click(function(){
	$("div").slideDown(testObj);
});

結果として、buttonをクリックすると3秒かけてdiv要素が表示されていきますが、progressプロパティに設定した処理によりdiv要素内に刻々とdiv要素の高さが表示されます。

関連項目

要素を隠したい場合はslideUpメソッドを利用します。
slideToggleメソッドを利用すると、要素が表示されている時は隠し、隠れている時は表示します。

メモ

期間の設定について

第1引数の期間を設定するところでは「slow」「fast」といったキーワードも利用することができます(fastは200ミリ秒、slowは600ミリ秒)。サンプル(slideDown/test01.html)では以下の様に引数に「slow」を設定しています(文字列なのでクォートを忘れずに)。

$("button").click(function(){
	$("div").slideDown("slow");
});

結果として、buttonをクリックすると「ゆっくりめ」に表示されます。

複数の対象にも対応しています

セレクタに一致する要素が複数あっても、showメソッドでまとめ表示することができます。
サンプル(slideDown/test02.html)を開いてjQueryがslideDown/02.htmlと同じ事を確認して下さい。body内の構成は変更され、div要素が3つに増えています。

<body>
	<button>click</button>
	<div></div>
	<div></div>
	<div></div>
</body>

結果として、buttonをクリックすると全てのdiv要素が現れます。