アプリ開発:代謝とメンテナンス

投稿者: | 2017年1月19日

年明けの記事で当面は過去のアプリをメンテナンスしていくと宣言し、地味に作業をしていたのですが色々と考えてしまいました。自分の中でも少しモヤモヤ感が残っているのでブログにまとめて整理しておこうと思います。スマホアプリ市場の閉鎖性?は強くなっていく気がします(新参に厳しい)。


どの分野でも古参が強く、既得権益を離さない傾向があるのでしょうが…。とはいえ、まだチャンスは多い気もします。

ジレンマ

個人的には代謝速度の速い環境ほど好ましいと考えています(古いものが容赦なく淘汰され、新しいものが歓迎される)。時代の流れが速くなっている昨今では、代謝速度が速くないと時代にマッチした商品やサービスを提供できませんから(たぶん)。

というスタンスだったため過去に制作したアプリは放置して新作に注力してきたわけです。しかし過去のアプリをメンテナンスした効果はスグに出始めたのです。まずはメンテナンスの効果を公開したいと思います。

私は以前、仕事でスペシャルサイトとよばれるコンテンツを(今は亡きFlashで)作成していたのですが、これらのコンテンツは数ヶ月で公開を終えてしまうためメンテナンスという作業はほとんど発生しませんでした。季節毎にスペシャルサイトがリリースされるので新作の制作にばかり注力していました。そのノリが残っているのかもしれません。

メンテナンスの効果

メンテナンスを初めてから1ヶ月も経過していないのですが効果が出てきました。長期的にはどのような結果になるかは分かりませんが予想以上に即効性がありました

アプリ開発:2017年の抱負

「弾幕の器」のアップデートを行い、そこで「弾幕とアリス」への送客を行いました。その結果、低迷していた「弾幕とアリス」のDL数が回復しました。

新作への誘導

DL数を伸ばすには検索結果で上位に表示される必要があります。昨年末にリリースした「弾幕とアリス」はリリース後しばらくは「弾幕」で検索しても20位台で低迷していました。しかし前回の記事で説明したような過去のアプリからの送客によって現在はiOS/Androidともに10位以内に上げることができました(下図は2017年1月18日のもの)。

iOS
android

順位を上げた「弾幕とアリス」は利益を出すために作成したアプリです。以下の記事では1日の利益が500円くらいと書きましたが、今では2倍の1000円くらいになっています。予想以上に速くiPadが購入できるかもしれません。

アプリ開発:2016年を振り返る(アプリ編)

1つは自分が作りたかった弾幕(弾幕の檻)でしたし、もう1つは利益を出すことを目標にした弾幕(弾幕とアリス)だからです。

海外版は利益が4倍に?

先日、海外向けのアプリ「Bullet Hell 100」にハードモードを追加しました。これは「弾幕とアリス」の英語版をリリースするまでの延命処理のつもりだったのですが、1日当たりの広告収入が下図のように約4倍(昨日の538円から2157円にUp)になりました。

admob

原因を考えたのですが、下図のように海外の方はアプリをクリアした後もアンインストールする方が少ないのが理由かもしれません。アンインストールしていないのでアップデートの知らせが届き、再びゲームに戻ったのでしょう(でも更新時がピークでこのあと段々下がっていくと思います…)。


アクティブ数が日本のピーク時の2倍以上あることも高利益の原因。やはり英語版は重要っぽい。

bullet100

このバージョンアップで広告の出し方を変更しました(戦闘後にインターステイシャルを表示するのは共通)。以前は簡単なステージでは一切広告は出さず、代わりに難易度の高いステージでは毎回広告を出していました。この方法だと、難易度が高く即死するステージほど広告がウザく感じられ評価を下げる原因となっていました。これをステージの難易度に関わらず3戦に1回広告を表示するように変更しました。更新から4件のレビューが付いたのですが、すべて☆5となりました(長期的に見るとあまり変わらないのかもしれませんが…)。

「Bullet Hell 100」は次のアップデートでDL数が伸びていない「cage of bullets」に送客を予定しています。その結果はブログで公開しようと思います。

古参が有利な環境

ここからが本題。ここまで述べてきたメンテナンスによる恩恵は、私が早い時期に弾幕カテゴリに参入したから得られたものです。新作の「弾幕とアリス」も過去のアプリからの送客が無かったら検索上位につけることは難しかったと思います。


ちなみに私が弾幕カテゴリに参入した2年前は、リリースした直後でも「弾幕」で検索した際に10位前後に表示されていました(今ではiOSもAndroidも20位中盤くらいからスタート)。

さらに、WEBでも同じなのですが検索アルゴリズムは古参に有利になっています。1日当たりのDL数では「弾幕とアリス」が「弾幕の器」を上回り、起動頻度も高くなっています。しかし総DL数/インストール数が大きな「弾幕の器」のほうが上位に表示されます。

OS8以上の端末はAppleにアプリの利用状況が報告され、アプリの開発者はそれを下図のように確認することができます(2017年1月のデータ)。Appユニット数がDL数でセッション数が起動数で、ともに「弾幕の器」を上回っていますが検索順位は下になってしまいます。


セッション数は正確には起動数ではなくフォアグラウンドに2秒以上表示された回数。

crush

最初に説明したように私は代謝速度の速い環境が好きです。しかしアプリの世界(アプリ以外でもたいていそうだとは思うのですが…)では古参に有利なため新参が這い上がるのは難しく、代謝速度は思うほど速くありませんでした。私は弾幕カテゴリへの参入が早かったので、これは私に有利に働きます。しかし別のカテゴリに進出しようとしたときは大きな障害になります。

これまでブログでも書いてきましたが、弾幕カテゴリで利益を上げるためには多くのプレイヤーを呼び込む必要性があります。それには個人で頑張るよりも多くの開発者を誘致して多様性を増すことが大切と考えてきました。年初に書いた以下の記事でも説明しています。

アプリ開発:2016年を振り返る(SNS編)

弾幕ゲームは制作者が少なく閑散としたカテゴリです。しかし弾幕ゲームが増えればプレイ人口も増えて利益を上げやすくなると思うのです。

しかし、それを自らが障害となって新規参入者を阻んでいる結果になっています。というか自分の過去作ですら邪魔に感じます。「弾幕の器」と「弾幕とアリス」の順位を入れ替えたい(利益を上げる邪魔になっている…)。前述の図にある「インプレッション数」はAppStoreでアプリのページに訪問数です。検索3位の「弾幕の器」は検索9位の「弾幕とアリス」の3倍以上の閲覧数になります。


動向を観察して順位を入れ替えるような施策を考えたいと思います。

あとまだ手の着いていないニッチなカテゴリにひっそりと参入したいという焦りが出てきました。スグに利益の出せるカテゴリはすでに占拠されていますが、追々利益の出せるカテゴリに成長するニッチは結構残っていると思うのです。ニッチについては以前ブログにも書きました。

アプリ開発:ニッチでの積み重ね


アプリ開発でも参入者が増加し利益を得るのが難しくなってきましたが、自分に合ったニッチを見つけることで生き残る確率を上げられる気がします。

そういえば、このブログのタイトルにある「スマゲー」というキーワードも追々育つキーワードと考えて名付けました。現時点でgoogleで「スマゲー」を検索すると当ブログは2〜3ページ辺りに表示されます。→google検索「スマゲー」

その他

そもそもメンテナンスする気になったのは以下のようなレビューが投稿され、古いアプリたちが新しいOSに対応できずクラッシュが頻発していることに気がついたからです。なかなか酷いレビューですが、結果として良い方に転がったと思います。

ちなみに前項の図ではクラッシュ数も確認できるのですが、メンテナンス前の昨年12月と比較して84%も減ったことが確認できます。

review

モヤモヤした気分で書き始めたため中々とりとめのない記事になってしまいました。時間を置いてから改めて記事にまとめるかもしれません。


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