アプリ開発:カジュアルゲームのお約束「報酬系」

By | 2016年6月16日

想定するユーザー層

次回はカジュアル系のゲームを作る予定なので、カジュアル系の「お約束」を調査/考察していました。ということで忘れないうちにメモ。まずは想定するユーザー層を明確にしておきます。
マーケティング的に言うと「ペルソナ(wikipedia)の策定」です(たぶん)。

カジュアル系ゲームにおいて「私が」重視したいのはイノベーター理論(wikipedia)でいうところのアリーアダプターです。カジュアル系なのだから「メジャー層をターゲットにすべき」とも考えたのですが、たぶん間違い。なぜ間違いかは後日の別記事「アプリへの到達経路と世界観の重要性(仮)」にて説明する予定です。

アーリーアダプター

アーリーアダプターの説明はweblio辞書が分かりやすいです(下は一部を引用したもの)。
マーケティングにおいてアーリーアダプターへの訴求は低コストで大きな効果を期待できるのですが、アプリに関しては「ネガティブな原因」によって「この層を狙うしかない」と考えています。別の記事で書きますが、GooglePlay/AppStoreや情報サイトでアプリを探す人はアリーアダプター層くらいでは?と考えているのです(私は)。

アーリーアダプターとは、マーケティングに関する用語で、新たに登場した商品、サービス、ライフスタイルなどを、比較的早期に受け入れ、それによって他の消費者・ユーザーへ大きな影響を与えるとされる利用者層のことである…

アプリでのアーリーアダプターは「面白いアプリを発掘して周りに紹介したい」という欲求が強く、GooglePlayやAppStoreだけでなく色々な情報サイトからもアプリの情報をたくさん仕入れて実際にDLして遊ぶと思うのです。着目するのは「たくさんの中から面白いゲームを探す」という点です。ここから以下のことが導けると思うのです。

アーリーアダプターは限られた時間内にたくさんのアプリを遊ぶので1つのアプリを賞味できるのは数回のプレイもしくは数分しかない

ということで、カジュアルゲームにおいては「どうやって数回(または数分)のプレイでユーザーの心を掴むか」が重要になると思うのです。心の掴み方は色々あると思うのですが、(ネタ系は論理性が低いので)今回は報酬系について考えてみました。

報酬系

ゲーム上で快楽を得られる要素は何か?。クリアできた!レベルアップした!新しい武器を買った!など色々あると思いますが、ここでは報酬を「レベルUP」とモデル化して考えます。おおまかに以下の3パターンに分類できると思うのです。

rewardSys
一定型

レベルアップに必要な時間が大体一定。具体的には「Lv1→Lv2」にかかる時間と「Lv99→Lv100」にかかる時間が大体同じもの。段々とレベルアップに必要な経験値は増加するが、段々と強い敵(多くの経験値を得られる)を倒せるようになるため、結果として同じような時間でレベルアップできる。昔のゲームに良くあるタイプで「じっくり」遊ぶのに向いているがカジュアルゲームには向かない

スタートダッシュ型

序盤のレベルアップが楽なタイプ。ドラクエで例えるとスライム1匹倒したらLv1から一気にLv5になるくらい。序盤から報酬がたくさん得られるのでカジュアルゲーム向き。大量の経験値やお金で「どんな武器買おう?どういう風に強化する?」と考えるのは、300円で遠足のお菓子を選ぶ小学生のようにワクワクするものです。実際のアプリでは「Breaker」で、最初の1回だけでコインがザクザク貰えてレベルアップが楽しめます。

関連サイト : アプリマーケティング研究所様
「カジュアルゲーだけど課金売上が30%」イグニスのブロック崩しアプリ「breaker」つくったのは医療業界からきた男

上記リンク先の記事の中盤に以下のようなコメントがあります。やはり序盤が大切だと思います。

あと開発のときには「ゲームバランス」にはこだわりました。特にスマホゲームって「最初の数分」がとても大事なので、ひたすら何十回もやり直して、バランス調整をしました。
転生型

レベルアップに必要な経験値がどんどん増加するので後半は本当に大変。でもある点を超えると急に捗りカタルシスを得られる。これはクリッカー系のパターンで転生(アプリによって呼び方は色々)によって、徐々にレベルアップの速度が増していくのが特徴。詳細は以下の過去記事を参照してください。

関連記事 : タップ・キングダム
複数の手段でユーザーに突破感を与え「もっと!もっと!」と常に感じさせるのが重要っぽいです。

転生型はレベルアップが大変なケースが多い、そうしないと後半のカタルシスが弱くなる。ゲームの種類がクリッカー系ならカタルシスのために序盤の苦行を耐えられるが、クリッカー系でない場合はカタルシスに到達する前に離脱する危険性が高い。あやふやな報酬のために頑張るケースは少ない。

組み合わせが大切

私が次回作成するカジュアル系シューティングではレベルアップに「転生型」を利用するつもりです。しかし「転生型」は序盤が結構大変で、これだけだと離脱率が高くなる危険があります。そこで序盤は敵を弱くして「無双感」を出す予定です(次回作は弾幕を育成する感じになるのです)。

つまりレベルアップに関しては転生型で、進行に関してはスタートダッシュ型を採択します。今回の紹介したパターンはメリットだけでなくデメリットもあるので、上手く組み合わせて運用するのが大切だと思うのです。

無報酬はダメ

「報酬系」という言葉はマーケティング用語ではありません。私は大学の専攻が「神経生物学」だったのですが、そこで学んだ用語です。報酬系のwikipediaはスカスカなのですが、以下の内容はアプリ開発にも役立つと思うのです。記事を読むと分かりますが、依存性(世間的には中毒性)に繋がっています…

報酬系が活性化するのは、必ずしも欲求が満たされたときだけではなく、報酬を得ることを期待して行動をしている時にも活性化する。

ただ上記の効果を得るためには報酬を出し続ける必要があります(以下はwikipediaからの引用)。

これに似たような実験をシュルツら(1993)がサルにおいて行っている。彼らは、ある視覚刺激を呈示して数秒後にエサが出てくるという装置を作り、サルをそれに馴れさせた。同時に中脳のドーパミン系細胞に電極を挿入し活動を記録したところ、実験初期にはエサが出てきた時点で細胞が活性化していたが、実験に馴れて来ると、視覚刺激が呈示された時点で神経活動が活性化していた。

大まかにいうとゲームをプレイした後に必ず報酬を与えることで、ゲームに対する依存性を高めることができます(やめられない!とまらない!)。前述の「Breaker」では、どのような下手なプレイでも必ずコインが得られます。

またプレイ後に得られる報酬量がある程度予想できれば「あと○回プレイすれば○○が購入できる」など長期的な報酬系も刺激することができます。

逆にプレイしても報酬を獲得できないと「時間を無駄にした!」とストレスを与えることになります。このあたりについては以下の記事にも書いており、次回の「離脱率を下げる」話にも繋がります

関連記事 : のらくらダイス(後半)
このゲームでは時間を費やしてゴールしても報酬0のケースが多々あります。

報酬系など脳科学の知識を利用したマーケティングはニューロマーケティング(google検索)と呼ばれているようです。

長くなったので後半は次回に

だらだらと書き綴っていたら長くなってしまった…。なので後半は次回にします。ゲームの離脱率を下げる方策についての考察記事になる予定です。


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