離脱率を下げる
前記事「短時間でクリアできるゲームのニーズ」や「のらくらダイス(前半)」からの続きです。今回はユーザーの離脱率を下げる方法について考えてみました。無料アプリが大量に流通する時代では、プレイヤーは少しの不満でゲームから離脱してしまうと思うのです。題材は引き続き「のらくらダイス」です。
費やした労力に対価を
このゲームで最初に離脱したくなったのは「最初のステージをクリアした」時です。クリッカー系や放置系ではタップした労力や放置した時間に応じて報酬が得られますが、このゲームでは時間を費やしてゴールしても報酬0のケースが多々あります(コインを得るには宝箱マスにとまる必要がある)。また、このゲームでは敵との戦闘に勝利してもコインを得られません。
※ただし戦闘でコインを得られるようになるスキルが存在します。
プレイヤーに「無駄な時間と感じさせる」と離脱率は上がると思います。なのでステージクリア時や戦闘勝利時にはコインを出した方が良いと思ったりもします。
※ステージクリア時のコインが基本給で、宝箱マスや戦闘勝利のコインがボーナスてきな扱い。
「時間を無駄にすること」は前記事の「広告でコンティニュー」にも当てはまります。
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途中で死ぬ → コインを失う → これまでの苦労が水の泡!!
それは嫌だ! → だから動画広告でコンティニュー
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買い物の予定が立てられるように
ゲームを離脱せずに続けるためには小さな目標が重要だと思うのです。このゲームでは「スキル入手」が当てはまります。もしステージごとに最低限得られるコインがあれば「あと○回クリアすれば○○が購入できる」と見立てがつきます。その意味からもステージクリア時にコインを与えることは大切なのではないでしょうか?
シナリオ
シナリオの追加も離脱率を下げるのに有効だと思います(結末が気になって最後までプレイする)。このゲームでもステージクリアやコインを支払うと王様からお話を聞けるのですが連続性はありません。連続性があれば離脱率を下げられるような気がします。
ゲームをクリアすると宇宙人が侵略してきて新しいエリアが追加される。宇宙人を撃退すると未来から子孫が助けを求めてくるとかドラゴンボールっぽく新ステージが続々と追加されたりとか…。
エンドレスの需要は低くなる
カジュアルゲームには「エンドレス」なステージが搭載されることがあります(このゲームではサバイバルモード)。ゲームの流通量が少ない頃には延々と遊べるモードは重要だったかもしれませんが、流通量が多くなってくると離脱の切欠になると思います。実際に私は鬼ステージのクリアをもってゲーム攻略とし、エンドレスモードをプレイすることはありませんでした。多くのプレイヤーがこの時点で他のゲームに移動するのではないでしょうか?。
エンドレスモードよりも開発コストは掛かりますが、前項のように新ステージが追加するほうが離脱率を下げられそうです。このゲームなら、例えば鬼シナリオをクリアしたら宇宙人侵略シナリオが始まり、それをクリアすると未来人来訪シナリオが始まるといった感じです。
主人公を無制限に強化できるならエンドレスモードも楽しいかもしれない。強化の具合を確かめる(強化自慢)のために頑張れそう。このゲームではスキルを3つしかセットできないので主人公をあまり強化できない。なので攻撃力や防御力はスキルと切り離し、「はがねの剣」でダイス+3とか「くさりかたびら」で体力+2とかにしても良さそう。装備のコレクションが好きなプレイヤーも多いと思うし。
UIが色々気になった
UIの不備は離脱率を上げる要因になると思う。幾つかをピックアップ。
ステージ選択
鬼ステージが開放されるとステージ選択が非常に面倒になる(下図左)。ゲームを起動して続きを遊ぶ際、未攻略のステージを選択するには「まずオニが表示されないステージを探す、その1つ前がまだ攻略していないオニステージ」なので操作が面倒なのです(うぅっ、説明しにくい…)。
これは単純にノーマルステージと鬼ステージを1次元的につなげればよいと思う。つまりノーマルの最終ステージから右ボタンをタップすると鬼ステージの最初のステージにつながるようにする。そうすれば上図右のようにボタンも少なく分かりやすくなると思う。
スキルの購入と設定
スキルの購入と設定が別の場所で分かりにくい。TOP画面の「スキル」ボタンが目立つが、ここでスキルの購入はできない。スキルの購入は城の中の「カギ」アイコンをタップして購入する。カギのアイコンがスキル購入なので分かりにくい。
スキルの購入と設定は同じ階層で簡単に行き来できるようにした方がよいと思う。
図鑑とアチーブメント、そしてデータ
アチーブメントが図鑑に埋もれている。アチーブは重要ではないので気がつかなくてもOKかもしれない。でも下図右のように分かりやすくした方がよいと思う。あとトップページにあるデータも同じカテゴリなのでまとめても良かったかも。
まとめ
クリッカー系や放置系は苦手なのですが、ユーザーを没頭させる仕組みがいろいろあって勉強になる。今回の双六ゲームや私がこれから作成するカジュアルシューティングのようにクリッカー系でないゲームにも組み込めると思う。そして黒字になるようなゲームを作りたいっっ。
twitterを本格的に初めてみた。ブログの更新記事をつぶやくのがメイン。あとCocos2dやUnity、その他アプリ開発に関連するツイッターの方をフォローして情報も集められたらなぁと思います。
— 柳澤@ゲーム作るよ (@designdrill) 2015, 12月 28