概要
今回作成した脱出ゲーム「4Rooms」では既存の脱出ゲームとは少し異なった仕様(仕組み?)にしてみました。今回はそのことについて記事にしたいと思います。下の動画は謎を半分くらい解いたネタバレ動画です。
時間の概念を導入
4Roomsでは時間の概念を導入し、タップする毎に上部の時計が3分進みます。きっかけは前回の記事に書いた「夕焼けを描きたい」のみで、時間制限によるゲームオーバーは予定にありませんでした。
デザインの仕事ではクライアントの要望に応じて、様々なデザインテイストに対応する必要があります。
これまで私が作成してきた弾幕ゲームは何回も遊ぶうちに上手くなってクリアできるタイプのものでした。で、つい…そのような要素も追加しようかなと思い、時間制限によるゲームオーバーを追加しました。これで最初は2部屋くらいまでしかたどり着けないけれど、何回も遊ぶうちに4部屋までたどり着けるようになり「上手くなっている感」を演出できるのではないかと…。
しかし結果は以下の通り、たった1日で多くのクレームを頂きました…。これは私の説明不足もあり、急遽説明文を追加しています。このゲームではタップすると3分進む仕様で、リアルに時間が進むわけではありません。なのでゆっくり考えて攻略することができます。
考え無しに画面をタップしまくるようなプレイスタイルは好きではないのです。
さらに現在、制限時間を弛めた(タップで3分進む所を2分に減らした)バージョンを作成し再審査を申請しました。Android版は本日中にバージョンアップが反映されると思います。
失敗例として残したいので、時間制限を排除することは無いです。
1部屋1画面の理由
今回作成した脱出ゲームには部屋が4つあるのですが、すべて北側の1面だけしか利用していません。3Dでモデリングしているので面を増やす工数は低く抑えられるのですが、あえて1画面に絞りました。理由は以下の通り。
移動コストを下げたい
最近の脱出ゲームは高品質な作品が多く、私もプレイヤーとして楽んでいるのですが不満な点が1つあるのです。それは移動の手間が多いという点です。初期の脱出ゲームでは1部屋で画面も東西南北の4面のみというものが多く、あまり移動を意識せずに謎に集中できました。しかし最近(でもないか…)は複数の部屋があり移動する手間が増えてきました。
そういう作品では「あっ!これはあの謎のヒントだ!」と気がついても「あの謎はどこの部屋のどの面だっけ?」と迷い謎に集中できません(私は…)。そこで以前楽しんだ「脱出ゲーム:四つ目神」の仕組みを導入することにしました。
序盤の章では移動できる場所が少なく短時間で修了できます。しかし章が進むにつれて移動範囲が広がり難易度が上がります。
「脱出ゲーム:四つ目神」は画面が沢山あるのですが、地図を介して目的の場所に1ステップで移動できます。なので「脱出ゲーム:4Rooms」でもアルバム画面を介して移動できるようにしました(4部屋しかないので、そもそも迷わないかもしれませんが…)。
差別化のため
前項の理由だけなら1部屋に4面用意しても良かったのですが、それだと既存の脱出ゲームと大差ないので1画面に絞りました。そこにメリットがあるかは分からないのですが…
Hidden Object Game
海外では脱出ゲームの隣接カテゴリに「Hidden Object Game」というのがあるのですが、これはステージが1画面で構成されています。このカテゴリの影響もあります。1画面への詰め込みっぷりは凄くて、画面の小さい端末では少し遊びにくいかも…
4Roomsも4inchのiPodで確認しているのですが、最初の部屋の「取っ手とネジ」は少し取りにくいかも…
参考:Google検索「Hidden Object Game」
ヒントとマネタイズ
脱出ゲームの多くは広告視聴の報酬としてヒントを出すことでマネタイズしています。しかし自力でクリアしたいためヒントに頼らない方も多いと思います(自力で謎を解くのが醍醐味ですし)。なのでヒント以外にも動画を視聴してもらう仕組みを用意しました。
サイドストーリーや裏話
4Roomsには図鑑コンテンツがあり、ここではヒントの他に裏話を読むことができます。
これは以前記事にした課金についての考察でもふれています。最近の脱出ゲームにはストーリー性のあるものが多いのでサイドストーリーや裏話はプレイヤーも楽しめると思うのです。
私は物語性のあるコンテンツが好きなのでサイドストーリー等を得るために課金しています。
シナリオ中の待ち時間に広告再生
最初に掲載したYoutubeの最後のシーンにあるように、冬美の部屋の鍵は歪んでいて鍵を開けるのに時間がかかるというシナリオになっています。そこで待ち時間と称して動画広告を見てもらう仕組みにしました。
多用するとクレームがくると思いますが、1回だけなら良いですよね?
ダウンロードはこちらから
そんなこんなで私が初めて作成した脱出ゲーム「4Rooms」、是非遊んでみてください。
twitterを本格的に初めてみた。ブログの更新記事をつぶやくのがメイン。あとCocos2dやUnity、その他アプリ開発に関連するツイッターの方をフォローして情報も集められたらなぁと思います。
— 柳澤@ゲーム作るよ (@designdrill) 2015, 12月 28
個人的には何度もやり直しながら徐々に進められるシステムはアリだと思いました。
しかしこのタイプの作品はアプリの説明文で外部サイトでのネタバレ禁止にしたほうが良かったと思います。
露出は増えるかもしれませんが、普通にレビューだけのサイトもありますし、検索すればネタバレサイトがヒットするのは興ざめですしマネタイズの面でも損かと・・・
今回のアプリはレビューサイトへの告知などを一切していないのです。しかし何かアプリのリリースを監視する仕組みがあるのでしょうか?すぐに捕捉されてしまいました。
私もマネタイズ面で攻略サイトは制作者の不利益になると考えていて、以前記事を書いたことがあります(http://jquerystudy.info/wordpress/?p=145)。