没頭できる脱出ゲーム
以前記事を書いた「アリスの精神裁判」のチームが作成したノベル系の脱出ゲーム。物語と謎解きが違和感なく融合していてスゴイ(物語に強引に謎解きを入れているアプリも多いので…)。
謎の難易度はかなり低め(拾えるアイテムとか少しあからさま過ぎるかも…)。しかし、そのおかげで物語が難問で中断されることは少なく、ゲームに没頭できます。
でもって、いつものようにアプリの説明はアプリゲット様を参照してください。☆4.5と超高評価です。

四ツ目神:他作品とは一線を画するクオリティ。浮世離れした神社で隠された出生の秘密を知る脱出アドベンチャー
広告収入は低そう…
無料の脱出ゲームは動画広告とヒントを組み合わせたマネタイズが主流です。なので謎が難しいほど広告収入が期待できるハズ。
しかし、このアプリでは謎が簡単なため1DL当たりの広告収入はかなり低そう…。よほどDL数を確保する自信がないと採れない戦略だと思う(そして実際に多くのDL数を確保しているのがスゴイ)。
このアプリでヒントボタンをタップすると動画広告の後にアプリ紹介サイトの独立ページに飛ばされます。そして、そのアプリ紹介サイトでの、このアプリの評価は☆4.5と超高評価です。ちょっぴりステマの香りがします。
このアプリには、動画広告の他にバナーとインターステイシャルがあります。しかし、これらの広告は物語を中断してまでタップしようとは思わないので動画広告より利益率は低そうです。
前作同様に「体力制」なので一気に遊ぶことはできません。時々動画広告によって体力を回復する「おせんべい」が手に入りますが、頻度は希です。これは課金アイテムの「お団子」を購入させるための施策でしょうか?
課金者は多そう!
前述の「お団子」の他にも、このアプリには多くの課金アイテムがあります。私は寝る前に1章ずつ進めていったので「お団子」は購入しなかったのですが、「ショートストーリー」というコンテンツを購入しました(下図)。ストアに付いたコメントを見る限り、このコンテンツを購入した方は多そうです。
iOSもAndroidも7割が制作者の収入になるので、ショートストーリー(240円)を購入すると168円の利益となります。これは動画広告を168回見たのと大体同じになります。内容に自信があるのであれば、このような後付け課金コンテンツはかなり有効な気がします。
参考に広告収入と課金収入の割合を公開している記事をメモ。記事1、記事2
気になった施策
私は脱出ゲームを作る予定は無いのですが、このゲームで「良いな」と思ったことをメモ。
移動範囲の拡張による難易度調整
序盤の章では移動できる場所が少なく探索箇所も少ないため短時間で修了できます。しかし章が進むにつれて移動範囲が広がりクリアするためには時間がかかるようになります。謎自体の難易度とは別に、行動範囲の拡張による探索時間の調整というのは良いアイデアと感じました。謎を解くことで移動範囲が広がる理由も、ストーリーに上手く組み込まれています。
左図が2章で移動できる範囲。右図が最終的な移動範囲。
謎の複線
このアプリには謎の複線が配置され、後の章での謎解きのヒントになります。例えば2章では「案内板が汚れていて内容が読めません」。これは章内では解決しないのですが、別の章で「汚れを拭う物」が手に入った際に、「あっ!そういえば」という気付きに快感を覚えました。
左図が2章「手水舎」では解決できない汚れた案内板。。右図は7章「墨と筆」で意味ありげに放置されている手ぬぐい。
高難易度のサイドミッション
このアプリにはストーリーとは別に「物語の中に隠された写真を探す」というサイドミッションがあります。見つけた写真はギャラリーで確認することができます(下図左)。
写真はキャラ毎に2枚あり2枚目を見つけるのは非常に難しく、私は攻略サイトに頼ってしまいました…。ストーリーの謎が簡単なので、このような高難易度のサイドミッションがあるとハード脱出ゲーマーの方も満足してもらえるのかもしれません。
難易度の高い2枚目の写真を見つけると、特典としてキャラの設定資料などを見ることができます(下図右)。
このゲームはBADエンドにも不思議な納得感があり、制作者のストーリー構成力の凄さを感じます。逆に唯一のHappyエンドに違和感を感じるくらいです。数百年続いた人の業を一人の少女が解決するなんてね…。ということで、この良作を是非遊んでみてください。
twitterを本格的に初めてみた。ブログの更新記事をつぶやくのがメイン。あとCocos2dやUnity、その他アプリ開発に関連するツイッターの方をフォローして情報も集められたらなぁと思います。
— 柳澤@ゲーム作るよ (@designdrill) 2015, 12月 28