クリック単価の減衰
twitterにて広告単価が減ってきているというツイートを見かけたので私も計算してみました。アプリで利用している広告はNendとAdmobの2種類です。両方ともレポートにクリック単価の項目がないため、報酬額をクリック数で割って算出しました。Admobでは厳密な報酬額ではなく「見積もり収益額」です。
横軸が月次(過去17ヶ月分で右ほど新しい)で縦軸がクリック単価(円)です。赤のグラフがAdmobで青がNendです。Nendは確かに単価が徐々に減ってきているのが確認できます。
1年半で半分近くになるとは思いませんでした…。Admobは波が激しいのですが10〜17では減少傾向にあるといって良いと思います。
減衰の理由
減衰の理由は色々あると思うのですが、1つはリリースされるアプリ数の増加のためだと思います(需給のバランス)。アプリ数が増えると広告を表示する機会も増え、広告代理店は広告を切らさないように多くの広告を確保する必要があります。
そのため広告の出稿単価を下げて広告を集める必要があると思うのです。出稿単価が下がれば当然広告単価も下がりますから、クリック単価減衰の理由として考えても良いと思うのです。
私は動画リワード広告は利用したこと無いのですが同じ理由で単価は下がっていくと思います。将来的にアプリの年間リリース数が頭打ちになれば単価が下がるのは止まるのではないでしょうか?。
ブースト広告の影響
Nend(日本)がAdmob(米国)より単価が低いのはブースト広告の影響だと考えています。ブースト広告については過去に記事を書いています。
クリック保証型の広告に10円/クリックで出稿したとしても、アプリのダウンロードに繋がる割合は半分以下だと思います(誤タップを期待する広告が多いですから、実際はもっと低いと思います…)。であればブースト広告を1DL20円で出稿した方が費用対効果が良いわけです。
このようなランキング操作に繋がる広告はAppleやGoogleでの規約違反になるのですが、厳しくは取り締まられていません。
ブースト広告費も大きく回収、1,000万円稼いだ放置系アプリ「小学生あるある」の裏側。
その結果、通常の広告からブースト広告に乗り換える広告主が増加し、通常の広告の出稿数は益々減ってしまいます。結果として、通常広告ではさらに値下げしないと広告が集まらなくなってしまいます。
逆にブースト広告は単価が上昇していくでしょう。お小遣いアプリでも以下のようにDL数を得るためにポイントを高く設定している広告主が出てきています。下図のように16円で出稿するよりも72円で出稿した方がDLされやすいため、競売のように価格が上がっていくのだと思います。
ブースト広告は米国にはないそうなので、Admob(米国)では広告主がブースト広告に流れずクリック単価の維持ができているのではないでしょうか?
twitterを本格的に初めてみた。ブログの更新記事をつぶやくのがメイン。あとCocos2dやUnity、その他アプリ開発に関連するツイッターの方をフォローして情報も集められたらなぁと思います。
— 柳澤@ゲーム作るよ (@designdrill) 2015, 12月 28