3D:初めての3D作品

投稿者: | 2017年2月20日

2002年:3D Studio Max

前回の記事で「これまでも3Dソフトを使ったことがある」と書きましたが、初めての3D作品が発掘できたので公開してみます。

技術的にはレベルが低いですが、SF好きの生物科卒業生らしい作品です。

切欠は2002年(たぶん)に3DS Max(製品サイト)のお試し版(使用期間1ヶ月)を利用して作品を投稿し、最優秀賞には「3DS Max(当時数十万円の超高価ソフト)」をプレゼントするというコンテストでした。

今では製品名が「3DS Max」になっているけれど、当時は「3D studio max」と呼ばれていたと思う。

実際の作品

3DS Maxは一ヶ月でマスターできるようなソフトではなく、結局はモデリングの基礎のみしか習得できませんでした。なので作品にはテクスチャは使わず、マテリアルもほぼ1種類しか使っていません。

3DCGコンテストは通常「1枚絵」で勝負するものですが、それでは勝ち目がないので「隕石が落下した海域に繁殖しはじめた、宇宙由来の原生生物についてのレポート」という物語をメインとした連作になっています。
テキストがつぶれて読めないので文章に起こしてあります。

作品名:平成39年南鳥島沖に落下した隕石に由来する赤潮についての研究報告

00

MHI-39 (mother ship)

赤潮発生海域からプランクトンネットにより採取された未知のプランクトン。単細胞でありながら、高度に分化した器官を持つ。次頁に各器官の特徴を記す。

01

推進器官

地球上のプランクトンの推進器官は鞭毛もしくは繊毛のみである。しかしMHI-39はそれら器官のかわりにロケットエンジンの様な器官を2つ備えている。これらは連結されている構造からしてロケットエンジンのような仕組みではなく波動で推進するものと推測される。

02

母艦嚢

MHI-39が現存する地球上のプランクトンともっとも性質を逸しているのは、この器官の機能による。

母艦嚢内部には微細な生物が多数生息しており、内生物は6つのパイプから体外に出入りし、MHI-39の生体活動を支えるべく機能している。

驚くべき事は、それら内生物の機能が細分化されており、協調しながら高度な社会構造を形成している事である。次ページに、これまで発見された内生物を記す。

03

MHI-39:FT1 (tugboat)

母艦嚢にもっとも多く観られる内生物。他の内生物との連絡および輸送役を担っていると考えられる。つまり、神経系に相当するシステムを担っていると推測される。コミュニケーション手段としては、前方2つのパラボラ状の器官が光に反応することから光によって通信していると推測される。

04

MHI-39:FA1 (injecter)

MHI-39を外敵から守るための内生物。先端の針を敵細胞に刺し、中央部の筋肉状繊維を収縮させて分解酵素を注入する。自身は推進器官を持たないため、移動はtugboatによって行われる。上記サンプルにも後方に2体のtugboatが付着しているのが確認できる。

05

MHI-39:FE1 (gather)

母艦嚢で観察される内生物の中では最大の生物。観察結果から、 MHI-39 (mother ship)には捕食用の器官が無く自力ではエネルギーを摂取できないと推測される。そこで MHI-39:FE1 (gather)が捕食活動を行いエネルギーを MHI-39 (mother ship)に与えている。MHI-39:FE1 (gather)は他の内生物と比較すると非常に原始的な構造を持ち、イソギンチャクのような捕食用触手と鞭毛を持つ。

MHI-39:FT1 (tugboat)と比較するとこのようになる。またMHI-39:FE1 (gather)は細かい動きが出来ないため、時としてMHI-39:FT1 (tugboat)に移動を補助されることが観察の結果分かっている。

06

MHI-39:X1 (sperm)

この生物は母艦嚢で観察された事が無く、観察数もかなり少ないため、どのような役割を担っているのかは不明である。しかし、中心部に核のような組織があることから生殖に関するものではないかと推測される。

07

以上で母艦嚢などで観察される内生物のレポートを終える。次頁より再びMHI-39(mother ship)の各器官について報告する

核周辺部位

核周辺部位では未分化の内生物と推測される生物(上記写真)が多数観察されている。

08

消化器官

エネルギーの摂取については前述の通り、MHI-39:FE1 (gather)を利用して行い、MHI-39 (mother ship)中央2つの器官で回収分解する。
またネット状の辺りではMHI-39:FT1 (tugboat)が多く観測されることから内生物へのエネルギー補給器官としても機能していると推測される。

09

未解決の問題

これまでの研究でこのプランクトンの大まかな事は分かったが、1つだけ生命としてもっとも基本的な部分がまったく解明されていない。
それは「どのようにして増殖するのか?」つまり生殖機能に関しては何も分かっていない。
手がかりとしては右写真にある碇状の器官でなにかと連結できるような仕組みになっている。これを利用して交配をするのではないかと推測する者もいる。

また、このプランクトンも内生物同様生物本体ではなく、さらに上位のプランクトンに製造されたのではと推測する者もいる。いずれにせよ、次回の報告でより詳細な報告をする予定である。

10

コンテストの結果

3DS Maxの使用期間が一ヶ月しかないため、コンテストに寄せられる作品のレベルは低いと思っていたのですが、実際は非常に高レベルの作品が多数応募されていました。専門学校で学んでいる生徒の方がこぞって応募していたようです(受賞作品に出身校名も記載されていた)。


3Dソフトが非常に高価な時代で自分用にソフトを購入できず、学校のフリータイムなどに制作するのだそうです。

しかし応募作品のほぼ全てがキャラクターもののようでした(入賞作品を見る限り)。そこに上記のようなレポート系の作品ですから目立ったようです。ということで技術力が低くても入選させていただきました。ちなみに入賞賞品は景観作成専用3DソフトのBryce(wikipedia)でした。


振り返るとBryceは3DS Maxと開発元が違うのに、なぜ賞品になっていたのだろう?当時の販売代理店が同じだったのかな?


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