アプリを遊ぶ時間帯で考える
マーケティングの手法でペルソナマーケティングというのがあります。簡単に言うと顧客像を詳細に定義して製品を購入してもらうための戦略を練る手法です(google検索)。
ググると「コンサル会社が顧客からより多くの予算を付けてもらう」ためのネタっぽさがあります…。でも、これはマーケティング以外でも意外と有用で、少人数で各人の裁量が大きいチーム制作での意思統一とかに役立ちます。
今回はアプリを遊ぶ時間帯をペルソナっぽく想定し、アプリのニーズを考察したいと思います。
あなたが開発したゲームはどの時間帯で遊ばれると思いますか?その時間帯で遊びやすいような工夫がしてありますか?
ここで書いていることは私の主観が多分に入っていますが、各人の考察の切欠になればと思います。
通勤/通学の時間
時間帯のサイズ - 細切れ
電車やバス内での時間で人により数分から数時間と幅が広い。都市圏では乗り換えも多くまとまった時間はとれないケースも。目的地に着いたらアプリは終了させないといけない(歩きスマホはダメ!)。
アプリに使える時間が細切れになりがちなので、1プレイに時間がかかるアプリは避けられると思う。つまりステージが長いシューティング等は向かない、逆にクリッカー系はいつでも終了できるので向いている。学生さんは音ゲーも遊んでいたりもします。
あと少し長距離の場合は、いつでもセーブできるようなアプリと相性が良さそうです。例えばノベル系(脱出も含む)などは読書の代わりに楽しんでいる方も多いと思います。
時間帯の特徴 - 頭を覚醒
始業にむけて頭を覚醒させる時間帯なのでパズルゲームやクイズゲームと相性が良いと思う。弾幕ゲームのコメントで「通学時に遊んでます」とのレビューを数件いただいたので、集中力を要するゲームもOKかもしれません。
シンプル系の脱出ゲームも頭を使いますが、一気にクリアしないと色々忘れてしまうので避けられそうな気がします。ノベル系だと「log」の仕組みがあるので細切れでも読み返せたりします。
昼休みの時間
時間帯のサイズ - まとまった時間
1時間未満だけどまとまった時間がとれる。ただしソシャゲのボーナス時間帯(経験値などが多く稼げるイベント)があるため他のゲームには不利かもしれない。口コミの盛んな時間帯でもあります。
とくに学生はみんなで同じソシャゲを楽しむ傾向がある。
時間帯の特徴 - まったり
ここではソシャゲを遊ぶ人を除外して考察します。消化器官が頑張り脳に酸素が充分に行かないので頭を使った作業に向かない時間帯。ストーリーを楽しむノベル系(脱出ゲームを含む)をのんびり楽しむのに丁度良いです。
私は食後は読書タイムだったのですが、アプリ開発を始めてからはアプリを(調査がてら)遊ぶ時間になっています。
昼休みも午後の仕事/授業にむけて頭を覚醒させる必要があるので、ほどほどに頭を使い、ある程度時間が必要なゲームにも向いていると思います。シンプル系の脱出ゲームとか。
クリッカー系とかスマホを頻繁に操作する系のゲームは社会人にとって遊びにくい時間帯でもあります(○○さんゲームばっかりしてるぅ〜)。通勤時と異なり、知人との距離が短いですからね。
放課後/終業後の時間
時間帯のサイズ - 合間
17時〜18時はソシャゲのボーナス時間帯ですが、それを差し引いても1日で最も自由に利用できる時間が多い。とはいえ平日は何かと用事があるため、まとまった時間ではなく合間の時間になりがち。
「このアプリを1回遊んだらお風呂に入ろう」とか「このステージクリアしたら勉強しよう」とかの合間です。
時間帯の特徴 - 気分転換
学生なら自習、社会人なら残業などをしている時間帯でもあります。人間の集中力は長くは続かないので気分転換が必要になります。なので爽快感のあるアプリや達成感のあるアプリと相性が良さそうです。ステージクリア性のアクションゲームや連鎖もののパズルゲーム、また音ゲーとかも良いと思います。
個人的には「弾幕ゲーム」がこの時間帯です。ただ止められなくなって後ろのスケジュールが押してしまうことも…
寝る前の自由時間
時間帯のサイズ - 短い
就寝前のスマホは睡眠の質を下げるらしいですが、22時〜23時はソシャゲのボーナス時間帯です。ソシャゲ以外では、この時間帯で毎日アプリを遊ぶ人は少なそう。寝付けないときにゲームをすると余計に寝付けなくなりますしね。
でもヘビーゲーマーはこの時間帯が一番活発なのかも?
時間帯の特徴 - 区切りよく
長く遊んでいると次の日に響くため区切りの良いゲームに向いている。また体力制(にゃんこ大戦争みたいなの)ゲームは体力を使い果たすと続けられないので意外とこの時間に向いている気がします。
ノベル系のゲームは以外と体力制が多いのであっているかも。あとホラー系も夜の方が雰囲気がでます。
ゲームとは関係ありませんが、夜でも利用するようなツール系のアプリはtiwitterのナイトモードのような明度を抑えたモードがあると良さそうです。
休日
休日は最もまとまった時間が取れ、人によって過ごし方も多様なので割愛(本来は多様だからこそのペルソナマーケティングなのですが…)。ゲームが好きな方は休日はスマホのゲームではなくコンシューマやPCのゲームを楽しむのかもしれませんね。
区切りの悪いアプリを遊ぶ時間帯はない
今回の記事を書くきっかけになったのはダライアスspです。シューティングとして非常に良くできているのですが、あまり遊びませんでした…。何故かな?と考えるとプレイ時間が長くて気楽に始められない、合間の時間に不向きとの考えに至ったのです。
プレイ時間が長い(または区切りの悪い)ゲームは休日に腰を据えて、コンシューマやPCで楽しめば良いと思うのです。スマホのアプリなら細切れの時間でも遊べるような構成が良かったな…と思った次第。例えばダライアスでもボス戦のみにする(その代わり過去の全てのボスと戦える)とかだったらDLC形式でも購入する方は多い気がします。
ダライアスspのミッションモードにはボス戦のみのミッションがあるのですが数は少ないです。
あとは以前紹介した「想紀伝」もクオリティが高いのですが、1ステージが長くて合間に遊ぶのには向きませんでした。ステージセレクトがあるのは良かったのですが…。
シューティングゲームにもセーブ機能を付けることは可能でしょうが違和感ありますしね..。

このゲームはステージが長めで隙間の時間で遊ぶのには不向。ですがゲームとしては秀逸でシューティング全盛時代を思い出します。
1回のプレイ時間でアプリの優劣が決まるわけではありませんが、細切れの時間でも楽しめるような配慮がしてあれば、継続率やDL数も上がるような気がする今日この頃です。
twitterを本格的に初めてみた。ブログの更新記事をつぶやくのがメイン。あとCocos2dやUnity、その他アプリ開発に関連するツイッターの方をフォローして情報も集められたらなぁと思います。
— 柳澤@ゲーム作るよ (@designdrill) 2015, 12月 28