脱出ゲームのリリースで得た知見(ASO編)

投稿者: | 2017年10月3日

ASOランキングのスタート位置

ストアに初めて掲載された段階(DL数や継続率は0)では検索ランキングは何位くらいからスタートするのでしょうか?。私がリリースしてきた弾幕ゲームは「弾幕」で検索したときに約20位くらいからのスタートになることが多いです。そしてプレイヤーの評価(DL数、継続率、評価やコメント)によってランキングが上下していくわけです。
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Webサイトの検索上位に入るためにはサイトの歴史(古くから存在し、適時更新されている)が大切なのですが、アプリの検索にも同じような傾向があり、以前ブログに記事を書きました。下記記事の「古参が有利な環境」の項目を確認してください。

アプリ開発:代謝とメンテナンス

1日当たりのDL数では「弾幕とアリス」が「弾幕の器」を上回り、起動頻度も高くなっています。しかし…。

記事内で「別のカテゴリに進出しようとしたときは大きな障害」と言っているように、今回の脱出ゲームへの進出には大きな壁があることを覚悟していたのですが…予想外の結果となりました。「脱出ゲーム」の検索ワードでいきなり1位です。この位置だと検索ワードだけでなくカテゴリランキングにも表示されます(コメントも0なのに…)。
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理由を考えてみました。脱出ゲームは短期でクリアされ、すぐにアンインストールされるので歴史ボーナスが少ない、そのため他のカテゴリよりも新参のアプリが上位に配置されやすいのでは?

スタート位置の謎

とはいえ1件のデータでは判断できません。App Annieを利用すると他の脱出ゲームの結果も見ることができるので幾つか調べてみました。同じように初めから上位に配置されるアプリもありました。

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しかし全てのアプリが上記のような配置になるのではなく、「弾幕」の場合と同じように下位に配置されるケースの方が多く何が基準になっているかよく分かりません。下図のように100位台からのスタートや500位台のスタートまであり幅が広すぎる気がします。タップで画像を拡大します

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上記2件は脱出ゲームのランキング上位常連さんです。スタート位置が低くてもランキングを駆け上がり上位を維持しています。こういうのは単独のASOでは実現できない挙動で、複数のアプリとファンへの広報の賜だとおもいます。もちろん内容が素敵というのが一番の要因ですけれど。

SEOではメタ情報の影響も大きいので、ASOでも観察してみたのですが法則性が良く変わりません。というか上記4件のサンプルは上位常連の開発者さんたちで基本的なASO施策はなされていて、数百位の差が生じるようには思えないのです。


脱出ゲームと親和性が高く検索件数が多いワードの含まれ具合、タイトルの長さ、ファイルサイズなどのSEO系の指標の他に、作品がチームの何作目かとか、サポートサイトの充実度も観察したのですが…

iOSではメタ情報の審査は人間が行っているのですが、メタ情報を審査したレビューワーが内容に応じて加点しているとか無いですよね?。アプリのリジェクトなどはレビュワー毎に厳しさが結構違うし、レビュワー加点があれば数百位の差も分かる…なんてね。

周辺状況か?

リリース直後なのでアプリ本体の評価でランクを決めるのは難しいと思うのです。とするとリリースの日時や競合の存在などアプリ以外の要因が影響しているような気もします。なんとなくリリースの時間帯での情報は無いか調べたのですが有用な情報は見つかりませんでした。今回の件には関係ないのですが、以下は時間帯での検索で見つかったスライド(2014年12月と古め)です。

何にせよ、日時や競合が関係しているとしても1位スタート〜500位スタートかというのでは幅がありすぎると思うのです(ちなみに私はブースト広告とか出していないですよ)。

ともかく現段階で全く理由が分からないので、とりあえずスタート位置についての考察は保留して次ぎに進みたいと思います。

次回:アプリに到達する経路

今回はASOをテーマにしましたが、そもそもどれだけの方が「検索」でアプリに到達するかを計測しなければ意味がありません。次回はアプリへの到達経路についてのデータを出して色々と考察しようと思います。データはitunes connectのアナリティクスのものを使います

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おまけ:ASOに恵まれてもアプリが残念だと利益は出ない…

せっかくASOに恵まれたのですが、今回のアプリに搭載した「時間制限」が不評で評価が2.5と酷いことになっています…。iOSでは評価が一定未満の場合は(たぶん)ランキングに反映されないため8/27日まではランキングを維持していたのですが、そのあとで急落です。

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そしてランキングに合わせて利益も急落です。規約で具体的なデータはお見せできないのですが、こんな感じです…。脱出ゲームは他のカテゴリに比べ利益を出しやすそうなのは確かなのですが、ランキングを維持できなければ利益も微々たるものです…。

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少し前にキュレーションサイトの問題が取りざたされました。webサイトではページ内容の真偽などが分かりにくいものが多く、SEO施策によって本質的な価値とは関係なくページランクを上げることができます。

しかしアプリでは良し悪しのが分かりやすくASOの施策だけでは利益を得ることは難しいでしょう。つまりアプリがダメだとASOを頑張っても意味がありません。奇跡的にASOに恵まれたのに評価2.5では…。今回身にしみて分かりました。

おまけ:複数ワードでの特徴

SEOでは単独ワードと複数ワードでは歴史ボーナスの扱いが異なります。このサイトのドメイン(jQuerystudy.info)本体である「jQuery入門講座」は頻繁に更新していた3年前では「jQuery」の単独ワードで1ページ目に表示されていました。しかし3年も更新を怠った今では全く出てきません…。しかし複数キーワード「jQuery 入門」や「jQuery 講座」では今でも上位に表示されます。

少しの違いは感じますがASOでも似た傾向があります。私のアプリでも以下のように複数ワードの方がランキングの下落が緩やかになっています。脱出ゲームの上位常連のチームでは、このテクニックを利用している所が多い(気がします…)。

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おしまい


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