個人開発者と任天堂プラットホーム

投稿者: | 2016年12月5日

Steamとは異なる有料アプリのプラットホーム

PCゲームをDL販売しているsteam(wikipedia)は多種多様な品揃えで、とても魅力的なプラットホームを形成しています。スマホのプラットホーム(iOS/Android)と異なるのは、大抵のゲームが有料な点です。フリーミアム(基本無料+課金)のゲームも少しあります。

このような有料ゲームが基本のプラットホームは、無料アプリを強いられている(有料だと見向きされないから…)スマホゲームの個人開発者にとっては魅力的に感じます。

しかし日本ではPCゲームを楽しむ層は薄く、steamで日本人に向けたゲームを作成しても利益を出すのは難しい気がします。グローバルに受けるゲームを作成できればよいのですが…。

そこへ今年の7月、任天堂の開発者サイトが個人にも開放されました。つまり個人開発者でもWiiUや3DSのゲームをリリースできるようになったのです。

関連サイト:ITmediaニュース様

任天堂が開発者向けサイトを刷新。個人が「ニンテンドー3DS」「Wii U」向けゲームを開発し、世界に配信できるようになった。

3DSやWiiUのゲームはPCゲームと異なり日本でのユーザー数も多く、日本の個人開発者にとっては魅力的なプラットホームだと思います。またSteam以上に無料の文化は無く、有料アプリのみでフリーミアムもありません(無料体験版とかは希にある)。そのため面倒な課金や広告の仕組みを導入する必要が無く、開発者はゲーム制作に専念できます


2016.12/8追記:フリーミアムのゲームもあるそうです。→リンク:【3DS】おすすめ無料ゲームソフト

3DSはスマホとは競合しない

3DSはスマホと同じように携帯可能な端末です。しかし遊ばれるゲームのジャンルは異なっている気がします。スマホではソシャゲ系とカジュアル系でほとんどを占めているのに対し、3DSではRPGからアクション、シミュレーションなど幅広い印象があります。

3DSにはコントローラが付いているので正確な操作が必要なアクション系のゲームに強いのも魅力です。スマホでもバーチャルパッド等がありますが正確な操作には向かずプレイヤーには倦厭されがちです。ということで本格的なゲームを作りたい個人制作者にはとても魅力的だと思うのです。

とはいえ3DSのユーザーは若年層が多いので、スマホにあるようなバカゲーも意外と受ける気がします。またタッチペンがあるのでスマホの人気ジャンルである脱出系もイケルと思います(すでに幾つか存在している)。


但し、3DSで遊んでいるのを見られたくない社会人は多いので、その層に向けたゲームは苦戦するのでしょう。

ということで3DSのプラットホームが個人開発者にも開放されたのは嬉しいのですが、任天堂の携帯機に対する方針に少し不安があったのです…。


ちなみにWiiUはスマホでの開発と大きく異なっていそうなので、個人的には魅力を感じませんでした。

DeNaとの協業やSwitchについて

以前まで私は「任天堂はスマホと張り合っていく」のだと思っていました。(3DSもスマホとは差別化されたコンセプトの機器ですし)。なので3DSのプラットホームをスマホやsteamのように育ててくれるのでは?と期待していたのです。

ところがDeNAとの協業が決まり3月にはスマホでMiitomoがリリースされ、12月にはスーパーマリオランがリリースされます。個人的に何となく「任天堂は3DSのような携帯機を捨てスマホに注力するのでは…」と少し残念に思いました(3DSのプラットホームはもう育てるつもりはないのだ…と)。

しかし10月にNintendo Switchが発表されました。動画を見ると携帯機としても楽しめるハードウェアなので「携帯機の捨てたわけではない」とホッとしました。
Switchの方が3DSよりもスマホに近く、スマホでのゲーム開発ノウハウが生かせそうですし。でもDSの後継機は無くなるのでしょうね…。

個人に開放されたというけれど…

と、ここまで任天堂のプラットホームについて個人開発者にとって魅力的なプラットホームのように書いてきました。しかし個人に開放されてから半年近くたとうとしているのに、個人開発者の間で全く盛り上がっていませんしeStore(リンク)を見てもゲーム数が急に増えるなんて事はありませんでした。

開発者サイトへの登録は無料だったので私も登録したのですが、現実は厳しく…個人開発者が任天堂のプラットホームにゲームを出すのはかなり難しいという印象を受けました。守秘義務があるので語れることは少ないのですが、ゲームを出すのには大きな覚悟を要求されます。「ちょっと1本だけ試しにリリースしてみよう!」という気分にはなれません…。

「覚悟の無い方はお断り」というスタンスも任天堂っぽいという気はしますが…

逆にスマホ(AppStore/GooglePlay)やSteamなどのプラットホームは「必要な覚悟」を低くすることで一気にアプリ数を増やして成長してきました。もともとのリードが大きい任天堂やソニーのプラットホームも、このままではシェアを失っていくのではないでしょうか?

スマホの性能の伸びは大きく、コンシューマ機との差も少なくなっていくと思うので尚更です。

今や魅力的なプラットホームを形成するのに、個人開発者や小規模制作会社の力は必須のような気がします。任天堂はスマホやSteamとは競合しない形でプラットホームを形成できると思う(個人制作者のゲームは100円位で気軽に購入可能にしたりすると、企業のゲームと差別化できると思う)。

Switchの開発環境の情報はまだ無いのですが、少しはハードルが低くなっていたら嬉しいな…。

他のプラットホームでは無い光景が見られるかも?子供はアーリーアダプター率が高いのでゲームを探すのが好き


・子供達が山のようにあるアプリから面白いものを発掘して友達に自慢する。

・「勉強の役に立つから」といって知育ゲームを親にねだる。

・クソゲーを購入するのが逆に武勇伝になる。

・ムズゲー過ぎて話題になる → 勇者誕生。


個人開発者と任天堂プラットホーム」への2件のフィードバック

    1. designdrill 投稿作成者

      この記事にあるように、個人で参入するにはハードルが高くて参入予定は無いのです…。
      任天堂の方針が変わって、簡単に個人で参入できるようになってくれると良いのですが。

      返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.